なんで円高がいけないのかね。

米国経済の先行きは不透明であり、かつ円高となると必ず株価が下がる。
さてこれの意味するものは何か。

そもそも円高とは円の価値が相対的に他の通貨よりも高くなる、もしくは差のついていた通貨と同等の価値になることである。
単純な例で示すと、一ドル120円から80円へと”円高”になれば、一台900万円するベンツが600万円で買えることになる。
円高とは、消費者からすれば質の良い海外製品を安く買えるようになることであり、生活に悪影響がないばかりかむしろいいことなのだ。

ではなぜ円高によって株安になり、政府もメディアも円安にするべきだ、という論調が表れるのか。
ずばり、今の日本の産業がブランド力の弱い高品質製品をなるべく安く輸出することによって利益を上げているからだろう。
円高になると日本製品は、海外では高くなるので価格競争面で不利になる。

ただし、円安になれば価格面で競争力がついてもそれが売上につながるとは限らない。
円安になると、当然海外の物が高くなる、つまり原材料を輸入するときのコストが高くつく。
売上の個数は伸びても、実際の売上高が追いつかなくて赤字になってしまうという恐ろしい事態は、現在お隣の国で見受けられる状況だ。
かの国は、製品のブランド力が日本以上に無いので、高くなると売れなくなる。

価格面でも品質の面でも高パフォーマンスを発揮し続ければ、それは売れるに違いないが、確固としたブランド力のないままでは、やがてそこそこの性能を持った格安の製品を発展途上国が売り出してくる可能性があり(今の中国やインド)、そうなると際限のない価格競争合戦に突入する。
価格競争は消耗戦であり、一人当たりの人件費の高い日本が中国やインドに勝てる訳がない。

そうなると売り方を変えないといけない。でないと、韓国の二の舞を踏むことになる。
円高になると日本製品が売れなくなるとよく聞く。しかし、円安でユーロ高のときにベンツやBMWが不振だなんて聞かない話だ。むしろ最近では、格差が拡大された結果、地域によっては欧州の高級車が飛ぶように売れる地域もあるそうで、結局のところ、価値ある物は多少の価格変動に左右されないということが日本の東京を見ているだけでも分かるのである。
それでもまだ、円安が望ましいなどと宣うのであれば、経済界と政治家、メディアとのつまらぬ癒着構造を想像せざるをえないだろう。

原油高、原材料高と重なっている今、低燃費で省エネなものの価値が高騰している訳で、その分野でリードしている日本がわざわざ円安に誘導しなくても売れるよう、マーケティングなり売り方なりをもう少し工夫する方向にいかないのだろうか。
と考えたが、いかないんだろうなぁ。

結局のところ、世界に通用している分野が自動車やカメラなどの製品輸出の部分だけになりつつある現在、みんな彼らの言い分をバカみたいに聞いてしまうのだろう。
長期的に見れば、円安は、日本にとって不利である。とくに消費者一般には。

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